HN=松澤佳蓮さま より
2005年2月1日、ついに念願だった甲冑が届きました。 この日は職場が新年会
というのもあって、甲冑が届いた瞬間に立ち会うことは適わず、対面することができ
た時には深夜で日付も変わっておりましたが、それでも一目確認したいとの思いで寝
る間も惜しんで梱包を解き鎧櫃を開けました。 鎧櫃の中に籠手や佩楯といった部品
の一つ一つがしっかりと包装されたものが厳重に納められていたことにももちろん感
動しましたが、包装を解いて甲冑を飾り付けてその全容をこの目で確かめたとき、自
分が想像していたものよりも遥かに厳粛さを秘めたる姿を見て思わず熱いものが込み
上げてまいりました。
華やかな印象の物が多い毛引威の甲冑ですが、この甲冑の場合、華やかさ以上に重厚
さを感じてしまうのは時代仕上げを施した絵革や茶紫色の菱縫の為でしょうか、濃紺
糸威との組み合わせを薦めて頂いて本当に良かったと思いました。 他にも体型に合
わせられて作られた胴や三十二間錆地の筋兜、三具の金襴やその他金具の一つまでこ
だわりを持って作られていることに甲冑工房の皆様方の製作に対しての意気込みが深
く伝わっているのが感じられました。
思えば着用可能な甲冑が販売されているということ自体は、かなり昔の頃から人形店
の広告等で存じてはおりましたが、当時は甲冑に対しては着るための時代衣装として
ではなく飾るための五月人形としての認識がありましたので、購入することはもちろ
んのこと着ることも想像することは殆どありませんでした。 但し、その存在を忘れ
ることなく記憶にあったということ自体、当時から何らかの形で甲冑の魅力に惹かれ
ていたというのはあったと思います。
それから十数年経ったある日、インターネットを閲覧しているときに偶然に山梨県は
石和町(現:笛吹市)で開催されている「川中島合戦戦国絵巻」の参加者の経験談を
拝見していたときに、甲冑を身にまとった女性の姿が掲載されていて、現代の女性が
武者姿に扮して戦国絵巻に参加しているというのに感銘を受けたのと同時に、一般公
募されている「歴史祭」の存在を初めて知ることになったのです。 そしてそのこと
が記憶の彼方にあった「着用可能な現代甲冑」の存在を呼び起こすことにも繋がって
行き、ちょうどその頃に御社のウェブサイトにも出会うことになりました。
それ以降は歴史祭の場などで何度も甲冑を身に着ける機会も恵まれて、元々歴史その
ものに興味は強いものがありましたので歴史祭の魅力に取り付かれていたのですが、
いつしか着用者の人生観を具現化させることができる甲冑へも魅力を感じていくよう
になりました。 そして歴史祭への参加はもちろんのこと、自分のこれまでの人生へ
の御褒美に、またこれからの次の世代へと繋いで行く人生の御守りとしての甲冑を手
に入れたいとの一心で今回の発注へ踏み切らせて頂きました。
結果論とはいえ、私の27回目の誕生日にこの甲冑と対面できたのは何か運命めいた
ものを感じ入ってしまうものがありました。 自分の人生の御守りとしての家宝にす
ることはもちろんのこと、将来親になる機会ができることがありましたら、そのとき
は子供の為に御社の稚児鎧を発注させて頂けたらと思っております。
平林様および甲冑工房の皆様、此度は本当にありがとうございましたこれだけ素晴ら
しい甲冑製作をして頂いて感謝の思いで一杯です。 そしてこれからも甲冑製作を通
じてたくさんの人に感動を与えられることを心からお祈り申し上げます。